観望記録のところで、Celestron の NexGuide というオートガイダーに触れましたが、使ってみた感想を少し補足しておきます。なお、NexGuide は、SkyWatcher SynGuider のOEM製品と思います。
満足なところ
・本体の液晶画面に星を映し出すことができるので、ガイド星を容易に選択できます。口径5cm、焦点距離350mmのガイド鏡を使って6等星位まではOKな感じでした。使用回数が少ないので、あくまでも感覚ですが。
・ピント調整もガイド星の液晶画面上の大きさを見ながらできます。その際、最大8倍まで拡大できるので、結構微調整が可能です。最終的には、輝度の数値が一番大きくなるように調整します。
・キャリブレーションは、15秒程度で終了するので、それほど待たされ感はありません。
・一軸ガイドが可能。何と言ってもこの点が大きな特徴です。ポータブル赤道儀でガイド撮影が可能になります。キャリブレーションを実行すると、赤緯方向のAggressiveパラメータがゼロに設定され、赤緯方向の信号が出なくなります。
極軸さえしっかり合わせておけば、赤緯のずれは問題にならないはずです。実際、使用中のずれは、液晶画面に表示される数値で10分間に±1ポイント程度(350mmの焦点距離で、計算上は5.6秒角/ポイント)でした。赤経方向は、かなりの頻度で修正が入っていましたので、オートガイドの効果はあったように思います。
不満なところ
・コントローラの反応が鈍く、ボタンをしっかりとゆっくり押さないと反応してくれません。コツが必要で、ちょっとストレスが溜まります。
・付属のケーブルが硬いので、取り回しが不便です。できれば、柔らかいカールコードに変更したいところですが、6芯のものがなかなか見つけられません。
・付属の乾電池電源は、単一を4本使う仕様なのですが、気温が下がると電圧が下がるためか、現地(10月の富士山5合目)で途中から動作不能になりました。寒い季節は、9V以上の乾電池電源を用意するか、12Vの野外バッテリー等が必要に思います。ただし、電圧が14Vを超えると壊れるそうなので要注意です。
その他のスマートガイダ―等のオートガイダーは使ったことがありませんので、比較はできませんが、NexGuide は私のような初心者でも簡単に使えました。
左の写真は、ガイド鏡とNexGuide一式になります。
左下から、乾電池電源ケース(単一4本使用)、赤道儀との接続ケーブル(ST-4互換の6ピンモジュラーケーブル)、コントローラです。
右の写真は、ガイド鏡を横から見たところです。
miniBORG 50に x1.4 のテレコンバータを入れて、350mmの焦点距離を得ています。ピント調整は、フロント部にかませたヘリコイドで行います。
NexGuide本体は、ビクセンのフリップミラーを経由して直角方向に取り付け、視野確認用のアイピースを軸方向に取り付けて同焦点になるように調整してあります。
この形にすることで、視野導入が容易にできるとともに、液晶画面が上にくるためセッティングやガイド中の状況確認が無理のない姿勢で行えます。
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福田(夫) (水曜日, 10 11月 2010 21:01)
こんにちは、福田です。
口径5cmで6等星までOKですか!
なかなか感度も良さそうですね。
私のQcam4000とファミスコ60Sの組み合わせだとかなり明るい輝星が必要なので、ガイド星探しに苦労します。
(私のQcam4000がハズレ品なのかも知れませんが…)
ヤフオク出品の同品が35000円スタートでやっとこさ入札ありましたね。
もう少し安くなったらPC不要のオートガイドに欲しいです。。。
6極6芯のコードですが、ビジネスホン(会社や事務所用のPBXに繋がる多機能電話)に6芯があったと思います。(6極モジュラの6線通っている物)
カールコードは受話器部分に繋がるスパイラルコードですが、4線だったかな?
(4線の物しか無いかも? カールコードは自作したことが無く、ビジネスホン・電話機本体(受話器)に付いてくるコードしか使ったこと無いです)
ではでは、スカイメモRのギヤ、直ると良いですね。
taka (日曜日, 09 1月 2011 16:17)
はじめてましてこんにちは。Nexguide検索でたどり着きました。
質問があるのですが、スカイメモをご使用とのことですが、NexGuide のオートガイド信号ケーブルは、スカイメモRのコントロール端子に、無加工で接続できるのでしょうか?
何か加工が必要な場合、どのようなものを準備すればよろしいでしょうか?
不躾な質問で恐縮ですが、ご教示頂けますと幸いにございます。
宜しくお願い致します。
starwatch (日曜日, 09 1月 2011 17:17)
takaさん、はじめまして。
お問い合わせの件、私の場合は、Hutech社のKD1という製品をスカイメモRに組み込んで使っていますので、そのまま接続できましたが、NexGuideのオートガイダー端子は、ST-4互換の6ピンモジュラー端子で、スカイメモRのコントロール端子は、3.5mm径の3ピン端子(オーディオ関係のステレオミニと同等)なので、残念ながらダイレクトには接続できません。
スカイメモRのハンドコントローラの3ピン端子は、先端が増速(RA+)、真ん中がコモン(GND)、後端が停止(RA-)になっていますので、6ピンモジュラーケーブルと3ピンプラグを信号を合わせて繋げてしまえば、動作するはずです。
NexGuide側の端子は、付属の説明書に配線図が出ています。
ステレオミニプラグは、オーディオケーブルと同じですので簡単に入手できると思いますが、6ピンモジュラーケーブルの入手が難しいようでしたら、NexGuide付属のケーブルを途中で切断して使う手もあります。
半田付けの経験があれば簡単に自作できると思います。
takanii (土曜日, 12 3月 2011 10:23)
初めまして。現在ビクセンSXD赤道儀を所持していて、ガイドアイピースを覗いて半自動ガイドをしている者です。PC不要のオートガイドが夢ですが、操作が煩雑なのでは、ということと金銭面での負担を考え、二の足を踏んでいます。nexguideは価格面でも魅力があり、導入を検討しています。しかし、迷いはあります。ガイドアイピースを覗いて「ちょっと」直焦写真を撮っても、最近のデジカメは短い露出でそこそこ写るではないですか!果たして、購入しても、操作の煩雑さとのバランスで「買ってよかった」と思えるほど使いこなせるかということなんです。確かに使えるけど、セッティングに時間がかかり、かえってガイドアイピースでちょこちょこっと撮った方が安直で便利。結局お蔵入り…なんてことにならないか心配なのです。
いかがお考えでしょう? アドバイスいただければ幸いです。
starwatch (土曜日, 12 3月 2011 17:55)
takaniiさん、はじめまして。
SXDとの組合せでNexGuideを検討されているとのこと、おそらく拍子抜けする位簡単に使えるのではないかと思います。他のオートガイダーがマニュアル車とすると、NexGuideはオートマチック車のような感覚でしょうか。
もちろん、いくつかのパラメータを組み合わせる機材に合わせて変えることも可能ですので、ある程度融通は利きます。
この辺りは、公開されている説明書http://www.celestron.com/c3/images/files/downloads/1279830550_nexguidemanuale.pdf
を参照してみてください。
注意点としては、NexGuideは実際の星像を直接見られる訳ではありませんので、同焦点アイピースが、ほぼ必須のように思います。
takaniiさんは、ガイドアイピースでガイドされているとのことなので、ガイド鏡をお使いですよね。それならば、フリップミラーと組み合わせると非常に楽になりますよ。
NexGuideは、私のようなあれこれ準備するのが面倒な人間にとって、大変簡単に使える良くできたオートガイダーと思いますが、あくまでも初心者の感想だということをごお忘れなく。また、感覚や価値観には個人差がありますので、最終的にはご自身でご判断ください。
最近は日本でも販売されているようですが、随分いいお値段がついてますねー。海外の価格をみてしまうとちょっと考えてしまいます。
やし (金曜日, 25 11月 2011 18:26)
こんにちは。
私もminiBORG50とNexguideを所有しておりますので、こちらのページを拝見してとても参考になりました。
現状ではこちらの構成と比べると、私の構成ではヘリコイドとフリップミラーがありません。(ビクセンのフリップミラーを主鏡では使用しております。)
このためか、アイピースではピントがすぐ合わせられるのにNexguideではピント合わせができないでおります。
ピントが合うとNexguideの液晶画面に点像でも表示されるのでしょうか?
ピントがずれているときは眼視でピントがずれているときのように大きめな丸が表示されるのでしょうか?
液晶画面でのピントを合わせをイメージできればと思いますのでアドバイスいただければ幸いです。
また、写真を拝見するとM57延長筒をご使用のように見えますが延長筒がないとこちらの構成では合焦しないのでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
starwatch (金曜日, 25 11月 2011 20:16)
やしさん、はじめまして。
参考にしていただき、なりよりです。
お問い合わせのピントの件ですが、Nexguideの液晶画面には、星像に相当する点像が表示されます。一応、ピントの状態に合わせて、点像の大きさも変わります。
ピントが合った状態で最も像が小さくなり、ピントがずれると像が大きな丸になります。
ただし、液晶の解像度は高いものではありませんので、ピントの状態は、最終的には輝度の数値を見て判断しています。
像の大きさは参考程度ですね。
私の場合は、BORGの1.4xテレコンバータ(7214)と2インチホルダーSSII(7501)を組み合わせて、フリップミラーに繋げています。2インチホルダーSSIIは、延長筒というより、フリップミラー接続用のアダプタとしての利用になります。
おっしゃるM57延長筒とは、1.4xテレコンバータのことでしょうか?
ピント調整に使っているM57ヘリコイドII(7860)の光路長は46-82mm、1.4xのテレコンバータ(7214)の光路長は40mmで、フリップミラーの光路長(70mm位?)も考慮すると、miniBORG50のみでは、しゅう動部分(+45mm)を最大に引き延ばしても合焦しないように思います。
ご存知かもしれませんが、BORGのページに、ミニボーグ50+【7508】+ビクセンフリップミラー+【7423】+【7314】+LV15→無限遠で約12mmの余裕(直視も直角方向も)との情報がのっていました。
ご参考までに。
やし (土曜日, 26 11月 2011 07:21)
アドバイスありがとうございます。
説明不足でしたので追記させていただきます。
私はそのままでは合焦しないので天頂プリズムで光路長を確保しました。
ヘリコイドは手近にあった接眼ヘリコイドを仮に使用してみたので、回転させると天頂プリズムごと回転してしまうと言うお恥ずかしい使い方でした。
M57延長筒では?と思ったのは1.4xテレコンバータではなく、2インチアイピースホルダーのようです。
私が見たことがあるボーグの2インチアイピースホルダーはこちらの写真よりもう少し短いものでしたので、miniborg50との間に延長筒を使われていると思ってしまいました。
2インチアイピースホルダーにも長いものと短いものがあるようですね。
その後、M57ヘリコイド、ビクセンフリップミラー、2インチアイピースホルダーを注文しました。(miniborg50より高い!)
道具箱を探していたらM57延長筒が出てきましたので、私の場合1.4xテレコンバータを使用していないので光路長が足りない時は延長筒を使用したいと思います。
borgのパーツは多様なため買い足しているうちに自分で何を持っているのか分からなくなってしまいます。
他の方からminiborg50だけでは焦点距離が短くガイド鏡としては?との意見も聞きました。
追尾精度が確保できないときは、テレコンバータは所有しておりませんので代わりにバローレンズで試してみたいと思います。
これまでは眼視とデジタル一眼の感度を高くしてノータッチガイド撮影の経験しかなく、オートガイドはNexguideでの試みが初めてという初心者です。
色々と丁寧なアドバイスをいただいたおかげで何とかなりそうです。
また何かありましたらご教授いただければ幸いです。
やし (土曜日, 26 11月 2011 07:31)
訂正です。
テレコンバーターは鏡筒の中に入っていて見えないと思い込んでいたのですが、、
http://www.tomytec.co.jp/borg/products/partsDetail/summary/104
で調べてどのような形状か分かりました。
私がM57延長筒と思い込んでいたのはテレコンバーターでした。
これで管理人様の構成が分かりました。
この度はありがとうございました。